老人福祉法関係

厚生労働省、有料老人ホームの指導強化について通知を発出(H27.3.30)

 3月30日、厚生労働省は都道府県、指定都市、中核市宛てに「有料老人ホームを対象とした指導の強化について」の通知を発出しました。
 これは、昨年10月に実施した未届ホームの把握等のための「第6回フォローアップ調査」の結果報告から、今後の高齢者向け住まいを適切に確保する上では、地方公共団体による一層の指導強化が必要であることを示すものです。
 本協会では設立以来、経営適正化支援、日常支援、消費者保護の役割で、日常的に地方公共団体との連携を図っております。また、会員事業者の法令遵守についても支援を行っています。

 4項目の通知内容についてご説明いたします。

1.フォローアップ調査の結果について

(1)有料老人ホームの届出状況、指導状況について

 有料老人ホームは老人福祉法で地方公共団体への届出が義務付けられていますが、厚生労働省が継続的に行っているこの調査では前回に引き続き未届件数が増加している実態が確認されています。これは、地方公共団体による実態把握が進んだことが大きな理由ですが、厚生労働省では、さらに届出を促進し、消費者保護の観点で指導監督が及ぶようにしたいと考えています。

(2)有料老人ホームの前払金の保全措置の状況について

 有料老人ホームの前払金保全措置は、平成18年4月1日以降に事業設置届を受理されたホームに法律で義務付けられ、同年3月31日までに事業設置届を終えたホームには指導指針上で努力義務が課されています。

 上記のフォローアップ調査結果でも、調査開始以降、保全義務付けのホームに未保全の事業者の割合が1割を初めて下回り、一定程度の改善傾向は見られるものの、未だ多く存在することを指摘し、「違法事業者」の存在が「有料老人ホームの市場全体の信頼を揺るがしかねない事態である」と強い表現をしています。地方公共団体に対しては、違法事業者への周知徹底、及び改善に向けた取り組みを求めました。また、保全を講じない事業者には老人福祉法に基づく罰則を適用するよう求めています。
 厚生労働省は、通知の中で本協会の入居者生活保証制度についても言及しています。

 また、保全措置を講じる意思はあるものの、取引条件等で銀行保証等を利用することが困難な有料老人ホーム事業者に対しては、必ずしも担保を必要としない「公益社団法人全国有料老人ホーム協会」による「入居者生活保証制度」を活用することなどが考えられるので、適確な指導をお願いしたい。

 前払金の保全措置には、銀行保証や信託商品など様々なものが出回っています。事業者によっては手続きなどで保全措置を利用しにくい場合もあります。こうした場合には、本協会の「入居者生活保証制度」を検討、活用するよう、地方自治体に事業者への指導を求めています。関連して、保全措置を講じない事業者には、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金が課せられることとなります。
 入居者生活保証制度は、他の保全措置(銀行保証、信託等)とは異なる仕組みで、事業者が倒産した場合に支払う保証金は前払金の額にかかわらず500万円で、入居者がホームに住み続ける限り終身にわたって保証が続くことが特徴です。
 さらにこの制度は、本協会に入会した会員事業者のみに利用が認められており、登録ホームの入居者は、前払金の返還保証という金銭メリットだけでなく、本協会が会員事業者を質の向上、経営の安定化等の様々な面で支援しているメリットも享受できます。

2.有料老人ホーム設置運営標準指導指針の改正について

 既存建築物や小規模建築物を活用する場合に、廊下幅等について、有料老人ホーム設置運営標準指導指針(以下「標準指導指針」という。)への適合が困難であることを理由に、有料老人ホームとしての届出を行わないなどの指摘があることを踏まえ、今般、標準指導指針の改正が行われました。(最終改正・平成27年3月30日付け老発0330第3号
 また、今回の標準指導指針改正を受け、各地方公共団体において届出の促進に向けた取り組みを実施するよう配慮を求めました。

3.権利金等の受領禁止規定に係る経過措置の終了について

 平成24年4月1日に施行した改正老人福祉法により、有料老人ホームにおいては権利金その他の金品の受領が禁止されたことについて、平成24年3月31日までに届出を終えた有料老人ホームについては経過措置が設けられていました。その経過措置が終了し、平成27年4月1日以降は全ての有料老人ホームにおいて、権利金その他の金品を受領することができないとして、今後の指導を求めました。

4.有料老人ホームに対するスプリンクラー設置の促進

 平成27年4月1日施行の消防法施行令では、主として要介護者が入居するホームにおけるスプリンクラーの設置について、従来の「建築面積275m2以上ルール」が撤廃され、原則として面積を問わず設置が義務付けられました(建物の構造により緩和措置があります)。
 既存施設については、平成30年3月31日まで経過措置が設けられていますが、地方公共団体に対して建物の改修実施の指導を求め、事業者に対して「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」を周知し、この助成制度を活用して既存ホームのスプリンクラー設置が着実に実施されるよう求めています。

【既存施設のスプリンクラー設備等整備事業】
  1. ①1,000m2以上の場合 17,500円/m2
  2. ②1,000m2未満の場合 9,260円/m2
  3. ③②かつ消火ポンプユニット等を設置する場合 9,260円/m2+232万円まで

 本協会では設立以来、経営適正化支援、日常支援、消費者保護の役割で、日常的に地方公共団体との連携を図っております。また、会員事業者の法令遵守についても支援を行っています。

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