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厚生労働省、施設における医薬品使用介助について注意喚起の通知を発出(H26.10.01)

 有料老人ホームにおいて、厳格な安全管理が必要な医薬品を別の入居者に与薬した事案の発生を受け、厚生労働省が地方公共団体に対し注意喚起と周知徹底を依頼しました。

(主な内容と本協会のコメント)

  1. 医薬品の使用の有無や使用上の留意点について、入居者、家族、また必要に応じ医療機関に確認すること。
    ⇒「お薬手帳」や「管理台帳」等での把握・管理により、薬剤が適切に使用されるよう取り組む必要があります。
  2. 職員が医薬品の使用介助を行う場合、誤使用の防止策等について職員に周知徹底すること。また、看護職員が配置されている場合は医薬品の使用介助は看護職員が行うことが望ましいこと。
    ⇒通知では「看護職員が介助を行うことが望ましい」としていますが、医薬品の種類によっては、看護師以外の者が使用介助できないものがありますので注意が必要です。
  3. 医薬品の使用介助に関する通知・参考資料について
  4. 誤使用発生時は医療機関に連絡し、リスクマネジメントを行うこと
関連事項:本協会策定「ケアリスクマネジメント(CRM)ハンドブック」より抜粋

 薬の誤配・誤飲に関する事例件数は29 ケースである。うち、26ケースについて、管理者は「事故は防止できた」と判断している。この事例は、各事例の中でも、入居者自身が誤飲をするというよりも、職員が誤配をしてしまうことによって発生する割合が高く、そうした意味で「防止できた」と判断する割合が高くなっていると思われる。
 事例から「誤配」のパターンをみると、まず、職員と入居者との関係では、?入居者への渡し忘れ、?人違い(渡し間違い)、?回数間違い、等が挙げられる。また、配布方法として例えば、食間薬と食後薬を間違えて配布してしまうなどの誤配事例も報告されている。
 こうしたことが発生する要因として、特に食後薬については、配布時と配膳時が重なる時間帯の作業で、どうしても配膳が優先され服薬のチェックが手薄になりがちであること、職員自体、一人ひとりの入居者が服薬している薬の内容について必ずしも承知している訳ではないこと、職員の思い込みによる確認忘れ、等がある。
 また、少数ながら、入居者自身が薬を飲み間違えてしまう、決められた摂取量以上に飲んでしまうなどのケースもみられる。こうした事例は、比較的入居者の自立度が高く、薬の管理をご本人がしているケースに多い。この場合、誤配された薬は、入居者も気づくことなく誤飲されている。
 また、ごく少数の事例では入居者からの指摘で事故が発覚しているが、ほとんどのケースは、誤飲後、職員によって発見されている。こうした背景には、入居者自身が、要介護度が高い、認知症状があるなど、自立した服薬管理が困難な状況にあることと、慢性疾患による服薬、精神疾患による服薬、睡眠剤服薬など、服用している薬の種類、服薬のタイミング等が煩雑になっていることなどが見受けられる。
 再発防止策として実践されているのは、第一に、配布時の入居者の名前、薬の内容の確認強化である(複数回の確認、複数人による確認など)。次に、薬の管理・配布方法の改善。例えば入居者個別の容器の改善、配布方法の改善など。また、入居者一人ひとりの服薬状況の内容確認、職員の薬への知識啓発なども比較的取り組まれている事項である。
 事例を通じて明らかになったことは、入居者の入居後の服薬管理を、自立から要介護の状態に応じて、誰の責任で、どのような方法で行うか、或いはその前提となる既往症、服薬歴などの情報をどの段階で、どのように把握するかの取り組みを、各施設が見直し、又は再検討する必要が急務となっている点であろう。

本HPのTOPページ「調査研究・ガイドライン」ページ内にハンドブックのファイルがあります。
様々な事故の発生要因や防止策の事例、本協会独自のケアリスクマネジメントモデルが記載されていますのでご活用ください。

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