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「第4回有老協・シルバー川柳」入選発表

 毎年敬老の日に向け公募している「シルバー川柳」に、4回目のことしは海外在住者からの初応募も含め1万4千を超える作品の応募があり、その中から下記の20作品が入選しました。

(敬称略・順不同)

共白髪まっぴらごめんと妻茶髪
榊原己津夫(愛知県/61歳/会社員)
おれおれと名のって妻にすぐ切られ
高嶋 和男(東京都/60歳/執筆業)
定年後関白の座をそっと降り
毛利 卓二(兵庫県/78歳/無職)
来てやった貰ってやったで五十年
堀越  貢(群馬県/75歳/無職)
妻の愚痴お茶と一緒に軽くのむ
江里口幸生(福岡県/63歳/無職)
「愛してる」じじの返事は「馬鹿言うな」
若山 照子(東京都/77歳/無職)
飲んだっけちり籠のぞき確認し
白水 洋子(福岡県/68歳/主婦)
「呆けちゃった!」難を逃れる名セリフ
中川 曙美(新潟県/64歳/主婦)
孫優さしさっきも聞いたと言い出さず
高木 道子(大阪府/61歳/主婦)
こんにちは笑顔で答えて名を聞けず
寺石八重子(高知県/56歳/主婦)
歳とれどなぜ口だけは歳とらぬ
中村  有(北海道/80歳/無職)
補聴器を外し無敵の父となる
門脇かずお(鳥取県/47歳/自営)
座る時立つ時ひざが手を頼り
安藤 節子(東京都/80歳/主婦)
離れ住む子らに病む日も無事と書き
西澤  健(東京都/74歳/会社嘱託)
還暦はシルバーシートを浅く掛け
笠井 治雄(神奈川県/72歳/無職)
つまずいた小石に歳を教えられ
石田  興(岐阜県/69歳/パート)
聞こえぬも心配風呂場の下手な歌
丸山 宣久(長野県/69歳/無職)
介護され初めて気付く親不孝
山本 健二(東京都/69歳/無職)
聞くたびに話が違う「若い頃」
水埜 信行(神奈川県/64歳/無職)
長寿者に「ひけつ」なにかと医者が聞き
西尾 八郎(埼玉県/61歳/無職)

応募状況

 応募総数は14,127作品で、前回の11,019に比べ3,108(28.2%)増えました。回を重ねるごとに増加しています(初回3,375、2回目6,659、3回目11,019)。

 応募者平均年齢は前回(65.6歳)に比べ3.7歳高い69.3歳となりました。これは、60歳以上の高齢層の応募が46%増えた反面、50代以下で22.4%減少したことによるもので、高齢者の間でシルバー川柳が定着しつつあることを示す喜ばしい現象である一方、中年・若年層の高齢者や高齢社会に対する関心の低下として憂うべき現象ともいえます。なお、最年長応募者は101歳の男性(前回は102歳の女性)、最年少は7歳の女児(前回は9歳の男児)でした。

 性別では、前回までほぼ男性55:女性45の割合できましたが、今回はおよそ6:4で男性の応募が活発でした。地域別にみると、全都道府県はもとより、今回は初めて海外在住者からも応募がありました。従来同様、人口にほぼ比例して大都市圏が上位を占めています。

全体所感

 題材別比率順位で前回1位の座を「体力、気力、健康」に譲っていた「第二の人生、自立、希望」が1.9ポイント上げて1位に返り咲きました。なかでも、高齢者予備軍(40~64歳)で前回の9.0%(4位)から14.3%(1位)に5.3ポイントも上げ、この層が元気を取り戻していることを示しています。

 しかし、喜んでばかりもいられません。つぎに比率を上げたのは「趣味、ペット、生甲斐」とならんで「お金、年金、遺産、遺言」の1.3ポイント(65歳以上の高齢者で1.7ポイント、高齢者予備軍で0.7ポイント)でした。この題材群のなかでも「年金」が9割以上を占め、国会議員の未納発覚や年金法の負担増・受給減への改悪など年金制度に対する不信や不満を募らせていることを示しています。「第二の人生、自立、希望」を押し上げたのも、裏返してみれば「年金があてにできなきゃ、定年後もがんばらなくちゃ」ということではないでしょうか。「おしゃれ」や「恋、色気」は、今回も引き続き比率を下げました。景気が上向いたとはいえ、「おしゃれや色恋などと贅沢はいっていられない年金」とうがつこともできます。さらに、4番目に比率を上げたのが「孤独、不安、諦念」(0.7ポイント)であることも併せると、「高齢者にとって逆風が強まっている」と今回の応募作品は訴えています。

 夫の定年を境に逆転する夫婦の立場、妻の外向化と夫の内向化、年齢とともにたくましく活発になる女性と悲哀さえ漂わせる男性など、「中高年層の女高男低」が相変らず強く感じられます。今回も、「夫婦愛」が0.7ポイント減少する一方、「夫婦同床異夢、婦唱夫随」が0.5ポイント増加し、この傾向に拍車がかけられました。

 なお、最近の出来事、世相、流行を反映したキーワードとしては、上記のように「年金」が最も多く、「オレオレ」がこれにつづき、依然、高齢者を脅かしていることをうかがわせます。また、韓国ドラマ・ブームを反映した「冬ソナ」や「ヨン様」、勝てないがゆえに人気を集めた地方競馬「ハルウララ」が初登場し、目立ちました。

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