その他事業報告書

平成23年度定例確認事業実施報告

 当協会では定例確認事業として、毎年会員各位よりご提出いただく重要事項説明書等の内容確認を実施しています。

 平成23年度は、「平成23年度提出重要事項説明書の作成のためのチェックポイント」表に基づく確認を行いました。

 このチェックポイント表は、重要事項説明書等に記載漏れや不適切表示等の問題点が見受けられたホームに対して、情報開示の適正化に向けた対応や修正をお願いしたものです。今般、各ホームの対応状況がまとまりましたので報告します。

<チェックポイント表における各ホームの対応状況及び確認結果の集計>

確認ホーム数計
:340 ホーム
〔確認結果の内訳〕
 
  *指摘事項のなかったホーム
:48ホーム(14.1%)
  *指摘事項を全て修正済みのホーム
:90ホーム(26.5%)
  *指摘事項を全て修正済みとしたものの、修正内容に不備があるホーム
:49ホーム(14.4%)
  *指摘事項を修正検討中とした項目があるホーム
:153 ホーム(45.0%)

 全体として、協会が指摘した要修正事項への対応について、「修正済」でも「修正不備」と判定されたホームと要修正事項を「修正検討中」としているホームの合計数が提出ホーム数全体の59%に上ります。また、協会が要修正とした項目に関して、「修正済」としたものでも「修正不備」である件数及び「修正検討中」=「未修正」のままである件数が、指摘事項の総件数の63%にも上る等、コンプライアンス及び適正な情報開示への取り組み姿勢に大きな課題が見受けられます。

 特に、チェックポイント表のⅡ②:終身利用権のホームでありながら、事業者からの契約解除条件が不適切であるもの、Ⅲ⑤:短期解約特例に入居者の死亡による契約終了が含まれていないもの、Ⅲ⑥:短期解約特例において事業者が受領できる1日当りの施設利用料が一時金の日割り計算等合理的な基準により算出されていないもの、Ⅳ④:入居一時金の償却起算日が入居日になっていないもの、Ⅴ②:管理費の使途が「~等」とすべてに使途を具体的明瞭に記載していないもの等の重要項目において、多くの「修正不備」や「修正検討中」=「未修正」が見受けられます。これらは景品表示法や本年4月1日施行の改正老人福祉法に抵触又は違反しますので、速やかな再修正と法令遵守の対応が求められます。

 定例確認委員会では、重要事項説明書等の要修正項目と修正すべきまたは改善すべき内容等については、チェックポイント表で当該事項を指摘した上、当該ホームに対して改めて修正または改善を求める書状を送付するほか、要修正事項が非常に重要な情報開示項目や内容に関わる場合には、当委員会の担当者が直接当該ホームを訪問し、入居契約書・管理規程や重要事項説明書等の修正や見直しの勧告・指導等を行うこととしておりますのでお含み願います。

 平成24年度においては、改正老人福祉法及び改正省令・新標準指導指針等が平成24年4月1日から施行される上、景品表示法及び消費者契約法等の法令遵守の立場から、行政の消費者保護策の強化に伴い、定例確認調査で表面化した上記問題点の改善のみならず、運営中のすべての有料老人ホームにおいて入居契約書・管理規程の契約内容や重要事項説明書の記述について見直しが求められ、必要に応じ、改善が求められます。定例確認委員会では、平成24年度も引き続き重要事項説明書等の定例確認事業を通じて、全会員ホームの法令遵守状況を調査し確認していく予定です。

 会員各位におかれましては、改正老人福祉法、景品表示法及び消費者契約法等の法令遵守とコンプライアンスの精神に立ち、入居契約書、管理規程、重要事項説明書等について速やかに見直しを行うとともに、パンフレット等表示物の表示についても適切な見直しや改善が行われるようお願いする次第です。

【老人福祉法改正等に伴う入居契約書等の主な修正項目について】

 平成23年法律第72号による老人福祉法第29条第6項及び第8項の新設に伴い、省令、施行規則及び標準指導指針も改正されますが、東京都では、それに先立ち、昨年9月8日に都の指導指針の改訂を行い、有料老人ホーム事業者への周知徹底を図るとともに、法改正への早期対応を求めています。厚生労働省の省令等改正が行われると東京都以外の道府県においても、今期中には指導指針の改訂が行われるものと思われ、有料老人ホーム事業者の早期対応が求められます。

 老人福祉法第29条第6項で定められた権利金及び対価性のない金品の受領禁止に関しては、平成24年3月31日現在における既設の有料老人ホームに関して3年間の経過措置がありますが(平成27年4月1日施行)、その他の条項は、平成24年4月1日から施行されることを念頭において、近日中に公布予定の省令及び標準指導指針・通知等を見ながら、早期対応をお願いします。

 入居契約書及び重要事項説明書における要修正事項は主に以下の事項が考えられます。関連する管理規程の修正にも留意して、すべての契約書類及び表示物の表示の整合性に配慮しながら、速やかな修正をお願いします。

  1. ①ホームの終身利用に伴う事業者からの契約解除条件の制限
  2. ②サービスの対価性の明確化と権利金又は対価性のない金品の受領禁止
  3. ③前払金の使途及び算定根拠の明確化
  4. ④平均余命に基づく想定居住期間の設定、前払金の償却部分とその償却期間の合理的設定と相互関連性
  5. ⑤前払金の非返還部分の合理性と明確化
  6. ⑥前払金の返還期間の設定及び返還債務の返還計算方式及びその合理性
  7. ⑦日割り計算による前払金の返還方法の明確化
  8. ⑧返還債務の保全措置
  9. ⑨入居契約書における短期解約特例(通称90日ルール)の明確化