介護保険制度とは

 平成12年から始まった介護保険制度は、“介護は社会が担う”という基本姿勢のもと日本の高齢社会を支える仕組みとして重要な役割を果たしています(下図)。40歳以上の人全員が加入者(被保険者)として保険料を負担し、介護が必要と認定されたときには、費用の一部(原則として1割)を支払って、介護サービスを利用できるしくみとなっています。

介護保険の基本的な仕組み

 有料老人ホームの提供する介護サービスは介護保険法の中で「特定施設入居者生活介護(以下「特定施設」と言います。)」として居宅サービスのひとつに位置づけられています。有料老人ホームでの介護サービスを、特定施設として実施するためには、そのホームが人員・設備・運営に関する基準を満たし、都道府県(または市町村)から事業者指定を受けることが必要です。

特定施設の分類

 特定施設はサービスの提供形態等により6つに分類され、ホームが一括してサービスを提供する形態と、外部業者にサービスを委託する形態とがあります。

①一般型特定施設入居者生活介護

 ②③に該当しないホームで、入居時の要件として「自立」の方等を対象とするホームで、介護専用型以外のホームです。都道府県が指定・監督を行います。

②介護専用型特定施設入居者生活介護

 定員が30人以上の介護専用型ホームで、都道府県が指定・監督を行います。

③地域密着型特定施設入居者生活介護

 定員が29人以下の介護専用型ホーム(要介護1以上の認定を受けた方を対象とするホーム)が対象で、市区町村が指定・監督を行います。ホームが所在する市区町村以外からの入居はできません。

④外部サービス利用型特定施設入居者生活介護

 介護を外部の訪問介護などのサービス事業所に委託し、ホーム自体は、生活相談、介護サービス計画の作成、安否確認、外部サービス事業所の手配のみを行います。このためのケアマネジャー(介護支援専門員)や、最小限の介護職員などは配置されます。都道府県が指定・監督を行います。

⑤介護予防特定施設入居者生活介護

 要支援1,2の認定を受けた方に対する「介護予防サービス」を提供するホームで、都道府県が指定・監督を行います。

⑥外部サービス利用型介護予防特定施設入居者生活介護

 ホームはサービスの手配などを行い、介護予防サービスについては外部サービスを利用するものです。都道府県が指定・監督を行います。

特定施設におけるサービス

 特定施設では、要介護の方の心身の状況に応じ、入浴、排せつ、食事等の介護、洗濯、掃除等の家事、生活等に関する相談及び助言等の日常生活上のお世話、機能訓練、療養上のお世話を行います。

 また、入居者・家族からの相談に応じることが求められています。

 特定施設はサービスの提供に際して特定施設サービス計画を作成します。作成にあたっては、その原案について入居者の同意を得ること、また、作成した際には入居者に交付することとなっています。

介護予防サービスについて

 介護予防・悪化防止の観点から心身の機能を維持・向上させ、生活の自立を促すためのサービスを提供します。

<介護予防サービスの例>

  1. ①筋力トレーニングなどで運動機能向上
  2. ②栄養指導等による低栄養状態の改善
  3. ③口腔ケアによる機能の向上
  4. ④心身の機能低下につながる閉じこもりを予防・支援
  5. ⑤認知症予防・支援
  6. ⑥うつ予防・支援
  7. ⑦日常生活行為向上支援(家事を本人に代わって行うのでなく、自立を助けて、持っている能力・機能を生かすなど)

次ページ(有料老人ホームの位置付け)